2021年からシステム障害のニュースが絶えないみずほ銀行、回数が多すぎてどのタイミングでどんな障害が起こっていたかがわからなくなってきたので、今回はみずほ銀行のシステム障害についてまとめていきます。

みずほ銀行、統合の歴史

現在のみずほ銀行のシステム障害には、大銀行の合併の歴史が大きく影響していると言えます。

まずは、みずほ銀行の成り立ちについて紹介していきます。

みずほフィナンシャルグループ、統合の変遷

現在のみずほフィナンシャルグループの中で、みずほ銀行は「第一勧業銀行」「富士銀行」「日本興業銀行」3つの銀行が統合してできた銀行です。

もちろん、三菱UFJ銀行や三井住友銀行も統合の歴史がありますが、みずほ銀行のようなシステム障害を起こしていません。

みずほ銀行が他の2行と何が違うのでしょうか?

1つのシステムに寄せられなかったみずほ銀行

三菱UFJ銀行や三井住友銀行などのメガバンクでは、統合の際に買収行側のシステムに寄せるのが通例であるのに対し、みずほ銀行では勘定系などのシステムで富士銀行のTOPと第一勧業銀行のSTEPSを残しました。

これは3行が対等に合併したことで起こった問題です。

なお、3行前に各行が使っていたベンダーは以下の通りです。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00867/071200001

銀行とシステム会社の関係性

銀行にとってシステム会社は、開発・保守運用を行うベンダーに加えて、融資などを行う顧客でもあります。

そのため、システム会社を1社に寄せるということは、顧客との関係性に影響する可能性もあります。

これにより、対等合併したみずほ銀行は1社に寄せるという判断ができなかったと言われています。

2021年のみずほ銀行障害、1〜4回までの障害概要

1回目:メモリ不足によるATM・みずほダイレクトの障害、完全復旧は翌日

2回目:NWカードの故障による通信の不安定化

3回目:カードローンのプログラム更新に伴うエラー

4回目:NWカードの故障による通信の不安定化

2021年1回目の障害の詳細  / メモリ不足によるATM・みずほダイレクトの障害

・2021年2月28日に発生、完全復旧は翌日3月1日15時

・メモリ不足により、ATM・みずほダイレクトに影響

【1回目/2021年2月28日】4,318台が一時停止 / ATMが通帳やキャッシュカードを取り込むトラブルが発生

2021年2回目の障害の詳細  / NWカードの故障による通信の不安定化

・2021年3月3日にNWカードの故障により通信が不安定化が発生

・障害発生から3分ほどでNWカードの自動切り替えにより障害解消

・障害発生時にATM、みずほダイレクトを利用した方に影響

2021年3回目の障害の詳細  / カードローンのプログラム更新に伴うエラー

・カードローンのプログラム更新に伴うエラー。

2021年4回目の障害の詳細  / 日立製作所保有のディスク装置故障

・ディスク装置内の通信制御装置で故障が発生し、バックアップ機器への自動切り替えも仕様通りに動作せず。

・復旧までに7時間。